木漏れ陽の中に
のんびり木陰で読書ができればそれだけで幸せです
ちぃちゃん遊ぼう(35)
床一面に広がるレモンイエローの空気の絨毯に、千鶴は両手を胸に置き横になっていた。
白い木綿のネグリジェに、10代ぐらいだろうか、幼い顔ですやすやと寝ているようであった。
和之は千鶴の右の首筋に手を入れて、上半身を抱え起こした。
「千鶴、僕だよ、目をさまして」
と千鶴の頬を優しくなでながら唇に軽くキスをする。
千鶴がゆっくりと、瞼をあけて、和之の顔を見た。
そして、千鶴の左腕がしなやかに反りながら、和之の頬に向けて勢いよく振り上げられた。
ばちーん!
和之の体は、後方へ30メートルは飛んだであろう。
和之は顔を歪ませ、空中でスローモーション撮影のように低い地鳴りのような声を出した。
「なー、ぜー、だー、よー」
和之の体はバウンドを繰り返しながら無事着地した。
そのとき、右目から涙が流れ落ち、鼻からひとすじの深紅の血液がたらりと垂れた。
和之は這い蹲り、芋虫のように匍匐前進をしながら涙と鼻血を拭って、千鶴の方へ進む。
千鶴はネグリジェの胸元をぎゅっと掴み、険しい顔で和之の様を凝視している。

続く・・・

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

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