木漏れ陽の中に
のんびり木陰で読書ができればそれだけで幸せです
ちぃちゃん遊ぼう(3)
私は二ヶ月ほど生理が遅れていた。
妊娠検査薬は準備していたのだけど、検査する事にためらいがあり、明日には、明日にはと先送りにしていました。
夫は子供を授かる事をいつも待ち望んでいました。
でも、私は母親になる事が不安です。

引き出しの中から妊娠検査薬を取り出しトイレに向かう。
検査の結果がでるまでの数分間は、出来ることなら妊娠してない事を願ってました。
結果はやはり妊娠しています。
私はリビングのレースのカーテンを開けて、窓の外に思いを巡らし夫へ告げる言葉を探します。
「和之さんは喜ぶだろうなぁ、きっと、お母様へ電話されるでしょう」
窓には、夕闇が訪れ、家々に明かりが灯り始めます。

2章へ続く・・・

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

ちぃちゃん遊ぼう(4)
「お疲れ様、来週も宜しくな」と和之は駅のホームで同僚らと別れ、改札へと向かう。
いつものように和之はエスカレーターを駆け上がる。
エスカレータを降り定期を取り出そうと、背広の内ポケットに手を入れるが、定期入れが見当たらない。体中を手探りしながら改札まで歩くが、定期入れらしいものが見つからない。
改札の前で、再度背広のポケットすべてに手を入れ探すが無い。
鞄の中も探すが見つからない。その時、和之の前に初老の男が立ち、定期入れを差し出した。
「お探しのものは、これではないですか」
和之は目の前に差し出されたチャコールグレーの定期入れに、岩下和之と名前が書かれている定期を確認した。
「どうも、有難う御座います。今、探していたところでした。助かります」
和之はその初老の男性に深々と頭を下げた。
「あなたが、エスカレーターを駆け上がろうとしたときに落ちたようですね」
和之は照れくさそうに、「すみません、階段を見ると駆け上がらないと気がすまない性分でして」
「お若いですね、私からしてみれば羨ましい限りです」
「何かお礼をしたいので、もし宜しければ、僕の行きつけの店がすぐ近くにあるんですけど、いかがですか」
和之は人懐っこい性格で、知合った人を気兼ねなく誘うのである。
「いえいえ、お礼など宜しいですよ、私も先を急ぎます。あなたとはいずれお話しする機会がありますから、その時にでも」
と、初老の男性は改札をそのまま通り過ぎていった。
和之は広げてある鞄の口を閉じながら、あわてて後を追おうとしたが、鞄が自動改札の縁にぶつかり鞄の中身が辺りに飛び出してしまった。

続く・・・

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

人物のひととなりを
人物像を、直接的に説明せずに、ひととなり、心境を文章の中で表現するのは難しい。

まだまだ、勉強すべき点が多すぎます。
ちぃちゃん遊ぼう(5)
和之は散乱した鞄の中身を、急いで拾い集め改札をでた。
小走りに駅を出ながら辺りをきょろきょろと見回し、奇妙な事を言う人だなと思いながら、初老の男性を探す。
駅前の交差点を歩くあの初老の男性を見つけた。
初老の男性は、すでに交差点の横断歩道を渡りきり反対側の歩道に着いたところであった。
まだ、信号は青の点滅だった。
「急いで渡ればまだ間に合う」
和之は横断歩道を全速力で駆け抜けようとした。
初老の男性は、振り向き和之を見ていた。
和之は大声で、「すみません、ちょっと待ってください」
その時、和之の目に強烈な閃光が飛び込んできた。
初老の男性は、
「彼にはすまない事をしたが、これから償うとしよう」とざわめく人ごみの中から掻き消えていく。

続く・・・

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

ちぃちゃん遊ぼう(6)
和之は思わず両腕で顔を被っていた。その後は意識が薄れながらも、体が重力に逆らって浮き上がっていくのが感じ取れた。
そして深い眠りから覚めたような感覚と心地よさを感じて、やがて和之は瞼を開ける事が出来た。
和之は見知らぬ場所に立っていた。
「ここはどこだろう」とつぶやきながら自分の周りの景色を確認する。
そこは児童公園の入り口であった。
目の前にちっぽけな砂場があり、右側にジャングルジムとその横に連なって滑り台があった。
左側にはイチョウの木が数本植えてありその奥にブランコがあった。
そこに、幼稚園児くらいの女の子がブランコにちょこんと腰掛て、人形を赤ん坊を抱くように抱え、その人形に向かって何か話しかけていた。
周りには人影は見えない、その女の子だけであった。
「どうして僕はここにいるんだ。目の眩む光を見たときは駅前の交差点にいた筈なのに」
和之はここがどこなのか、どうして自分がここにいるのか不思議でたまらなかったが、女の子になぜか話しかけたい衝動に駆られた。
和之はその女の子の元へ歩き出した。
「お嬢ちゃん、ここはなんていう所かな」
こんな幼い子に聞いたって分かるはず無いのにと思いながらも、和之は聞いてみた。
「ちぃちゃんのおうちのちかくのこうえんだよ」
「やっぱりな、こんな答えしか返ってこないよ」
和之は自分の馬鹿さ加減に呆れながら、この女の子としばらく時間をつぶしていようと考えた。
「しばらくすれば、母親が迎えに来るだろう、その母親に聞けばいいや」
公園を出て道行く人を探せば良いはずなのに、和之はこの公園から離れるのが嫌だった。

続く・・・

テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学



プロフィール

らいやん

Author:らいやん
オリジナル小説を不定期に連載しています。



ブログランキング

FC2ブログランキング

おもしろかったらクリックをお願いします



最近の記事+コメント



直感カテゴリーツリー



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブロとも一覧


■ ブログ名:毎日楽しくしようよ

■ ブログ名:ごっつくだらん日記

■ ブログ名:* ぐぅ〜たら日和 *

■ ブログ名:セキレイの午後

■ ブログ名:執筆中!!



By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ



RSSリンク